絶対、好きになれない。
「百合ちゃんのお母さんって、ほんっと百合ちゃんに似てるよね!瓜二つだもん。」

『よく姉妹に間違えられて、お母さんがキャー!嬉しいっ、パパに自慢しよっ☆てはしゃいでるよ。』

確かに本当に似ているらしい。
わたしは兄と私のふたり兄弟だから、
お姉ちゃんみたいなお母さんが大好きだけど!

「それにしても、挨拶しなおしたほうがよかったかな。お付き合いしました!とか。また、改めて来ようかな。」

モジモジと可愛い表情を見せる東雲先輩。

「なんて言うんですか??百合を俺にください!とか言っちゃうんですか?それとも高校生らしい健全なお付き合いをー!とか言うんですか?先輩絶対、健全は無理ですよね〜?」

楽しそうに愛花ちゃんが笑う。
目を細めて怒ったような顔を作る東雲先輩。
隣でクスクスと静かに獅童先輩が笑う。

「お前なー!聞こえちゃったら困るから、ボリューム落とせよな!」

「てか、程々にしてお暇しよう。さすがに居間に長居させてもらうのは気がひけるよ。」

大人な獅童先輩はそう言って
すうっと紅茶を飲み干して手を合わせる。

「ほら、東雲かえろ。」

「うーーー、そうだよな。百合ちゃん次いつ会えるかな。また、とりあえず連絡する。」

そう言ってパタパタと玄関に向かうと
それに気づいたお母さんが一緒に
ふたりを見送ってくれた。
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