絶対、好きになれない。
男子二人が帰ったあとの
愛花ちゃんとわたしは
仲良く一緒にお風呂に入って
ずっとお付き合いできた彼との話をしてた。
寝る直前まで携帯を眺めたり、
次会うときのことを考えたり、
ふたりでドキドキしながら想像して
深夜を回ったところで
どちらかが目を閉じてしまったようだ。

絶対、好きになれない、なんて
おもってたくせに。
ちゃっかり恋愛できてる。

でも、
東雲先輩のあの優しさや包容力があったから
わたしは「人」に対しても
歩み寄ろうって思ったのもしれない。
誰かに支えてもらえてる、
それがすごく自分の自信になってた。

絶対、好きになれないって
バリア張ってるだけで
本当は「好きになりたい」だったんだよね。

あんなに嫌だった過去たちが
なんともなかったかのように
今をキラキラさせてる。

それも、これも、東雲先輩の魔法だ。
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