絶対、好きになれない。
はじめての恋愛。
繋いだ手、見上げた側には彼氏。
想像してた通りのカフェ。

「ん?どうかした?」

いつも、マスコットキャラのように
コロコロ笑って
わたしに絶えず話し掛けてくれた先輩は
物静かに珈琲を飲みながら
町並みを眺めている。

友達から彼氏になって、の安心感というか。
存在感だったり
雰囲気ががらっとかわった。

先輩も、そう思ってるのかな?

好きだと自覚してから、
とっても彼の視線が気になる。

「なに、じーっと見てんの?」

頬杖をついて
わたしの顔を覗き込んで笑った。

『ん、と、先輩が好きだなあ、と思って。』

本音だった。

「ありがと。楓って呼ばれたら、もっと嬉しいんだけどな。」

『楓先輩.... 』

「楓、がいいな。」

あ、あの花火大会の夜みたいな目。
心臓がドクンドクン高鳴るのがわかる。
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