絶対、好きになれない。
夏なのに冬の気分。
しっかり繋いだ手はポカポカどころか
あったかくて汗ばんでしまいそう。
いつもより、体温が上昇する感じ。

「ちょっとぶらっとお散歩しよっか。お昼ご飯まで。なに食べたい?」

ふと目に入ったらオープンカフェ。
カップルが仲よさげに
目を見つめあってドリンクを飲んでいる。

『えと、カフェ、とかかな。』

「サンドイッチとか軽い感じ?」

優しく顔を覗き込む彼に
精一杯の「うん」の返事をする。

「了解!じゃ、ここよさそ〜なカフェあったら、ココ!て指さそっか。俺緊張してなにも食べれなさそうだけど。」

しっかりと絡まった指と指。
欲しがるようにわたしの手の甲を撫でる。
それに、いちいち反応してしまうわたし。
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