絶対、好きになれない。
「あれ?うちの高校の子じゃん。」

ぼーっとしていると
ものすごい近距離に男の人の顔。

『やっ!!!!』

わたしは反射的に体を仰け反る。

「わ、わ。ごめんごめん、突然話しかけて。こんな可愛い新入生いたっけ?」

目の前には金髪のチャラついた感じの
青いネクタイを締めた2年生がいた。

「わっ!し、東雲先輩だっ!」

両手にドリンクを持った才加が
わたしたちに近づいてくる。

わたしは目線を落としたまま
ひたすら、早く居なくなってと唱える。
だめだ、やっぱり震えが止まらない。
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