絶対、好きになれない。
そして緊張の朝。

「おはよう、百合ちゃんーーー?」

ゆるく巻いた髪の毛。
眉毛とまつげだけの軽いお化粧と、
長すぎない普通丈の制服。
唇はピンクのリップだけ。

「百合ちゃん!」

一番お母さんがびっくりしてた。

なんとなく恥ずかしくて
おはよ、と言って微笑んでご飯をいただく。

「百合ちゃん、気をつけて、ね。」

『うんっ、いってきます。』

自然と声も明るくなる。

なにも周りを気にせずに玄関を飛び出す。
迎えてくれたのは
才加の嬉しそうな笑顔。

「百合ー!よかった!おめでとう!」

まだまだこれからだけどね、と意気込むわたし。

少しずつ前進していこう。
< 61 / 136 >

この作品をシェア

pagetop