絶対、好きになれない。
二駅なんてあっという間。
下車してからの、高校への道はすぐだ。

あー、通学も全然嫌じゃなくなったな。
と思いながら電車から駆け下りようとすると
ふらっと身体が横に揺れた。

あ、倒れーーーー

目をつぶった瞬間に、
倒れかけたわたしの身体の向きが止まった。

『あ、』

と顔を上げると例のイケメン同級生、
叶くんとやらがわたしを支えてくれていた。

『ありがとうございます。助かりました。』

わたしは表情の変わらない彼に
ペコペコと頭を下げると
彼は「ん、」とだけ言って立ち去った。

「なにあれ、かっこよすぎるーーーー!」
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