絶対、好きになれない。
駅を出てからの才加はと言うと、
わたしを助けた叶くんのことで
頭がいっぱいのようだった。

「もー、羨ましすぎる!少女漫画のシュチュエーションじゃない!あれで恋に落ちて、百合の素顔を知ーーーー」

『こらっ!』

わたしは周りをキョロキョロしながら
才加の大きな口を抑える。

『声がおおきいっ!』

「えへ、ごめんごめん、気をつけます。」

才加とわたしと、
もうひとりだけの秘密。
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