オオカミ社長は恋で乱れる
事故相手とはいえ私の方が加害者だ。

それなのに様々な心配をしてくれて、過剰な程の気遣いをしてくれる。

社長さんという立場で私など相手にしている時間なんてないはずなのに、何度も様子を見に来てくれる。

子供達のつたないおしゃべりを真顔で聞いて、それに答え子供達を笑わせる。

そして仕事で来れないとこんな風にメッセージまで送ってきてくれるなんて。

何で?どうして?が止まらない。

メッセージだって用件のみの文章なのに、『西条さんらしいな』って思えてつい微笑んでしまった。

あの近寄りがたい雰囲気の人が、わざわざ仕事で行けないと連絡してくるなんて。

何だか不思議な人・・・そう思うと1人で「フフッ」と笑ってしまった。

そしてふと私は思い悩んでしまった。

「私は何て返事を送ればいいのかな・・・」

『了解しました』は変だし、『連絡お待ちしてます』もないな。

『お忙しい中いつもわざわざ来て頂かなくても・・』も変な風に取られたら申し訳ないし。

「うーん・・・難しいよ」

何と書くか悩み、指だけがフラフラと動いてしまう。

結局そのまま文を考えているうちに寝落ちしてしまい、起床のアラームの音に起こされてその時点で返事を送っていない事に気付いた。

「あ!やばい。寝ちゃった・・」

慌てて『おはようございます。昨夜はすいませんでした。返信するつもりが寝てしまいました』と言い訳のようにメッセージを送った。

そして朝の支度をする為に着替えていると、スマートフォンの通話の着信音が鳴り響いた。

「えっ?西条さん・・」

表示された名前に驚いてすぐに電話に出た。


















< 27 / 109 >

この作品をシェア

pagetop