オオカミ社長は恋で乱れる
そして2時間後会議も終わり社長室へと戻ると、エグゼクティブチェアに座った西条に佐賀は尋ねた。

「社長、先程のお話ですが・・」

「何だ」

聞き返された佐賀は、会議前に話した明日の予定について確認をした。

「明日の夜の会食についてです」

「ああ、そのことか」

「はい、確認させて頂いてから会長にご連絡したいと思います」

「そうか」

その返事を聞いて、とりあえず詳細を尋ねるべく質問をした。

「清水さんとお会いしたいということですが、もうお約束はされているのですか?」

「いや、これからだ」

「そうですか。それで夜のお食事の際、お子さん達もご一緒ということになりますか?」

「ああ、そうなるだろうな」

「そうなりますとお迎えの際、お子様を車に乗せる準備が必要になりますね」

「準備?」

お子様を車に乗せる準備と言ってすぐには分からなかったようだったが、「チャイルドシートです」と伝えると、一瞬目を開き「そうだったな」と頷きながら同意した。

子供を車に乗せるにはチャイルドシートが必要。

常識としてはあっても経験にないことだったので、すっかり失念していたようだ。

「では清水さんとお約束ができましたら、チャイルドシートを手配しご出発までに社用車にとりあえず装着する手配でよろしいですか?」

「いや、明日は俺の車で出社するからすまないが夕方までにチャイルドシートを取り付けておいてくれ」

「社長の車にですか?」

さすがに驚きの声をあげてしまった。

西条優貴の車に、チャイルドシート。

あまりに予想外なことに大きな戸惑いを感じた。
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