2度目の初恋も、君とがいい
「おはよー!永人(えいと)!」



バンっと、日奈子の隣の席にカバンを置いて、人懐っこい笑顔でさっきの男の子に話かけてる。


……永人っていうんだ。



「はよ、おせーよ。退屈だろ」


「あーれ、俺のこと大好きですかー?」


「は?暇だっただけだし」



少し照れくさそうに話す彼は普通の男子校生だ。



「あの二人、良さげだね」


「は?」



日奈子の言葉に首を傾げる。



「まわりみても、ふたりほどカッコイイ人たちいないじゃん」


「まぁ……」



この二人は確実にクラスの中で目立つ二人だろう。



「ここに人集まりそう」


「なんで隣なんだろう……」



この席配置を決めたであろう見たこともない、担任の先生に恨みが募る。



「にしても、あの彼は千花のこと気に入ってそうだよね」


「は?やめてよ」



〝気に入ってる〟とか〝気になってる〟とか〝好き〟とか。
そういう言葉をほど嫌な言葉はない。

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