2度目の初恋も、君とがいい
「あれ、可愛い子がいる」



日奈子の隣に座った彼があたしにニッコリと笑いかける。



「……っ」



あたしも笑いかけれればよかったんだけど、どうしても怖くて。
思わず、目を逸らしてしまう。



「あれ？人見知りなのかな？」



人懐っこい性格なのだろう、彼は構わずあたしに話しかけてくる。
もし、あたしがただの人見知りなら彼には人見知りにならずに済んだのかもしれない。



「千花、返事くらいしてあげないと……」



困ったようにあたしに耳打ちをする。



「……わかってる」



わかってるのに、こんな態度を取ることしかできない。
こんなんじゃ学校生活がうまくいくわけないってわかってるのに。



「人見知りでも俺なら結構しないーって子多いよ！」


「……はい」



そう返事するだけで精一杯。
こんなんじゃただの人見知りだとか誤魔化すのも限界がある。



「俺、今崎明日汰（いまさきあすた）って言うんだ！二人は？」



こんな態度を取ることしかできないあたしを今崎くんは、変に思うこともなく接してくれた。

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