極上社長と結婚恋愛
「意地悪しすぎて嫌われないようにしないとね」
ひとりごとのような甘いつぶやきに、ドキドキしてしまう。
「直哉さんを、嫌いになったりはしないですけど」
取り繕うように言うと、直哉さんが微笑んでこちらに身を寄せた。あごをつままれ目を閉じると、おでこに優しくキスをしてくれた。
「そういえば、前にお届けしたガーデニアは元気ですか?」
思い出してたずねると、スープジャーのふたをあけながら直哉さんがうなずいた。
「元気だよ。今度会社に見に来る?」
「まさか。お仕事の邪魔になるから行けません」
「気にしなくてもいいのに」
平然と言う直哉さんに、私は首を横に振る。
花の様子を見るためだけに会社にお邪魔するなんて、副社長の緒方さんやあの綺麗な秘書さんに怒られてしまいそうだ。