極上社長と結婚恋愛
 

母は自分で花を生けるのが好きだから、なるべくいろんな種類を入れた方が楽しめるだろうと、バラに添えるグリーンもふっくらした多肉植物や独特のフリルのような形をした葉をもつポリシャスなんかを組み合わせる。

もくもくと手を動かしていると、お義父さんはのんびりとお店の中を見回した。

「小さいけれど、すみずみまでこだわりがあって手入れの行き届いた素敵なお店だね」

そんなふうにお店を褒められて、少し手を止めてから頭を下げた。

「ありがとうございます」

そう言った私の表情を、お義父さんがじっと見る。
その視線から逃げるようにうつむき花束を作る作業を再開した。

「浮かない顔をしてるけど、なにかあったのかい?」

穏やかな口調で問われ、私は目を見開いた。

「え……?」
「なにか迷っているなら相談に乗るよ」

咄嗟に隠した私の感情を簡単に見透かされて、驚いて花束から顔を上げる。

直哉さんも人の気持ちに敏感だと思っていたけど、お義父さんもこんなに鋭いなんて。さすが親子だと思う。


 
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