極上社長と結婚恋愛
 

戸惑う私を見ながら答えを待つように優しく微笑んでくれるお義父さんに、おずおずと口を開く。

「……素敵なお店だとほめてもらえたのが嬉しくて、でもこのお店を続けていけるのか少し不安なんです」

私が本音をもらすと、お義父さんは無言でうなずいた。
視線で言葉の先を促され、ゆっくりと手を動かし花束を作る作業を再開しながらまた口を開く。

「今、偶然が重なって夢だったウエディングのブーケや会場の装花のお仕事を、少しずつもらえるようになってきたんです。だけど、その打ち合わせや準備でお店を早めに閉めることがあって。今日いつも来てくれるお客様に、最近お店が閉まってることが多くて残念だと言われてしまって」

言いながら、きゅっと口を引き結ぶ。

店が閉まっていたことをああやって聞いてくれたのはあのお客様ひとりだったけど、それ以外にも店が閉まっているときに足を運んでくれた人がいたかもしれない。


 
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