極上社長と結婚恋愛
 

「あずさ引っ越すの? たしかお母さんと一緒に暮らしてたよね」
「今度お母さんが再婚することになったから、ひとりぐらしをはじめようと思って」
「え、おめでとう! 相手どんな人?」
「まだ会ったことはないんだけど、建設会社の社長さんらしいよ」

興味津々で身を乗り出した夏美に、苦笑いしながら答える。

父親を病気で早くに亡くし女手ひとつで私を育て上げてくれた母に、結婚を考えている恋人がいると告げられたのは一か月前。
百貨店の靴売り場の販売員をしていた母を、お客としてやってきた彼が一目見て好意をもったらしい。

自分のことは後回しにして、仕事も家事も子育ても一生懸命に頑張ってきてくれた優しい母が、一緒に生きていきたいと思える素敵な人と巡り合えて本当によかったと思う。今まで苦労してきた分、絶対に幸せになってほしい。

「すごいね、社長さんなんて」
「でももう大人だし、親が再婚しても私にはあんまり関係ないんだけどね」
「そのうち挨拶したりするの?」
「今週末一緒に食事をする予定なんだ」
「そっか、楽しみだね」
「うん。お母さんが選んだ人だから、きっといい人だと思う」

母を幸せにしてくれる優しい男の人だといいな、と願いを込めながらそう言って笑った。




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