極上社長と結婚恋愛
 

週末、約束の料亭で私と母、そして新しく父になる人、和昭さんと一緒にテーブルを囲んでいた。

素材にこだわっていることで有名な高級料亭は、料理はもちろん食器や照明、さりげなく置かれた調度品や襖、部屋のすみずみまで美しい。個室の窓から見える上品な中庭の、ライトアップされた青紅葉に思わず目を奪われる。

結婚の顔合わせ、なんて少し緊張して身構えていたけれど、はじめて会うその人の穏やかな雰囲気に、私はすぐにリラックスすることができた。

母より少し年上の、六十代の男性。
上品なブラウンのスーツに、少し白髪交じりの髪を自然に横に流したその姿は紳士的で大人の余裕が漂っているのに、仕草や話す口調がとても柔らかい。

私の隣にいる母は、若いころからずっと老舗の百貨店に勤めてきたせいか姿勢や立ち振る舞いが綺麗で、黙っていれば上品な雰囲気だ。

けれど口を開けば豪快で、竹を割ったようなはっきりした性格なんだけど。


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