極上社長と結婚恋愛
「直哉とは十年以上の付き合いだけど、朝が弱いなんて聞いたことないよな」
緒方さんがそう言って隣を見やると、南さんが「そうですね」とうなずいた。
「出張や急な予定変更で早朝に連絡をすることがありますが、社長が寝ぼけている様子で電話にでられたことは、一度もないですね」
「……そうなんですか?」
ということは、朝弱いから起こしてなんて頼んできたのは、ただの冗談?
今朝も寝ぼけた直哉さんにベッドの中で抱きしめられたのを思い出して、一気に顔が熱くなる。
あれは寝ぼけたふりだったんだ……。
直哉さんは私の反応を面白がって、すぐに人をからかうんだから。
これは一言文句を言わなくては、と思いながら到着して開いたエレベーターに乗ろうとすると、緒方さんと南さんが立ち止まったまま私を見ていた。
「エレベーター、乗らないんですか?」
不思議に思って首をかしげると、南さんがじっと私のことを見る。