極上社長と結婚恋愛
 
直哉さんはそう笑ってくれたけれど、ちょっと触れられただけで、動揺してグラスを落としそうになってしまった自分が恥ずかしい。
自己嫌悪に陥って、顔をあげられなくなってしまう。

肩をすぼめてうつむいていると、直哉さんが柔らかな口調でたずねてきた。

「前に配達に来てくれた時も思ったけど、もしかして、俺のことが怖かったりする?」
「え……?」
「必死で平静を装おうって、頑張ってる感じがするから」

こんなに短いやりとりしかしていないのに、私の気持ちを見透かされて顔がカッと熱くなった。

「す、すみません……」
「動揺することは悪いことじゃないから謝る必要なんてないよ。怖いと思うことがあるなら、俺が気を遣えばいいだけだし」

怒るでも責めるでもない、優しい口調。

あぁ、この人は触られたことに驚いても、不機嫌な顔をしないでくれるんだ。また少し、胸が温かくなる。

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