極上社長と結婚恋愛
「すみません。怖い、とかではないんですが、男の人に触れられるのが少し苦手で……」
失礼な態度をとってすみません、と頭を下げると、お義父さんが心配そうな顔をする。
「馴れ馴れしい直哉が悪いんだから、あずさちゃんが謝る必要なんてないよ。でも大丈夫かい? ひとりでお店をやっていたら、男のお客さんもくるだろう?」
「お店でやりとりするくらいなら平気なんです。ただ、プライベートになるとちょっと緊張してしまって」
いい歳をして、こんな自分が情けない。
肩をすぼめてうつむくと、お義父さんがなにかを思案するように口元に手を当てる。
「私が女手一つで育ててきたせいか、あずさは昔から男の子が苦手だったもんね」
申し訳なさそうな顔をする母に、慌てて首を横に振った。
「男の人が苦手なのは私の性格の問題で、お父さんがいなかったのは関係ないから!」
お母さんが責任を感じる必要なんてないのに。そんな顔をさせてしまう自分が情けなくなる。
そんなやりとりをしている私たちを見て、お義父さんが「あずさちゃん、やっぱり一緒に住もう」と力強く言った。