極上社長と結婚恋愛
幼い娘を、もっと甘えさせてあげたかった。母がそう後悔している気持ちが伝わってくるから、心配してくれる親心をつっぱねるわけにもいかない。
どうしよう。
二十七歳にもなって、こんなにひとり暮らしを反対されるとは思わなかった。
「僕たちを安心させるためだと思って、一緒に住んでくれないか?」
お義父さんにそんな風に言われてしまったら、断り切れないよ。どうしよう。
困り果てていると、私の正面に座る直哉さんが小さく笑った。
「親父、そんなふうに追い詰めたら、あずさちゃんが困ってるよ」
硬直した空気をほぐすような柔らかな笑い声に、すっと肩から力が抜けた。
「あずさちゃんだって、心配してくれるのは嬉しいけど、自分の親の新婚生活の邪魔なんてしたくないよね?」
イタズラっぽく笑って顔を覗き込まれ、慌てて首を縦に何度も振る。
「家族なんだから、邪魔なわけがないだろう」
眉をひそめたお義父さんに、直哉さんが微かに首をかしげてみせる。