極上社長と結婚恋愛
料亭の奥にある日本庭園をふたりで歩きながら、美しく整えられた美しい庭にため息をつく。
もうすっかり日が落ち空は真っ暗だけど、足元の敷石に沿うように埋められた照明と、火の灯された灯篭のおかげであたりは明るい。
照明の明かりを反射して、深い緑色の中にふわりと浮き上がって見える橙色の漏斗型の花。それを見下ろして直哉さんが足を止めた。
「この花って、なんていうんだっけ」
笑顔で振り返られ、慌てて答える。
「ツツジです」
「ツツジかぁ。確かこれって甘い蜜がある花だよね。小さい頃、祖父の家の庭で吸った記憶がある」
懐かしそうに笑いながら花に手を伸ばそうとした直哉さんを見て慌てて言う。
「ダメですよ。ツツジには毒があるんです」
私が直哉さんの袖口をきゅっとつかむと、驚いたように手を止めた。