極上社長と結婚恋愛
「あの……っ」
ごくりと息をのみ、勇気を振り絞って口を開く。
「じゃあ、お願いします!」
「なんて、冗談だよ」
私と直哉さんが同時にそう言って、きょとんと顔を見合わせた。
……今、直哉さん『冗談だよ』って言った?
そう気づいた途端、一気に顔が熱くなった。
「す、すみません! 冗談に決まってますよね!」
恥ずかしい。
からかわれたのを真に受けて、こんなことをお願いしてしまうなんて。
顔から火が出そうだ。
とても顔が見せられなくて必死にうつむく。
あぁ、もう。穴があったら入りたい。
そう思っていると、長い指がのびてきた。
優しく私のあごをすくいあげ、うつむいた顔を持ち上げられる。
羞恥で潤んだ視線を恐る恐る上げれば、いつもよりも意地悪な表情の直哉さんが笑った。