cafe レイン


本読んだりするにはちょうどよさそうだな。
いいとこ見つけた。明日から通おうっと。

自分だけの隠れ家を見つけた気がして、私は心が弾んでいた。
律ちゃんにだけは後でこっそり教えておこう。


そうして、私はこの日から昼休憩中レインに通い出した。
オーナーが気になるまでは、他のお店にもたまに行っていた。ラーメンが食べたい時もあるし。

だけど、オーナーが気になりだしてからはずっと通っている。
声をかけたりしようっていつも思うけど、なかなか勇気は出てこない。

どうしたら一歩踏み出せるのだろう。


お客と店員。
この一線を越えるのは難しい。

そして、そんな連絡を取り合う仲にもっていくまでもが難しい相手には、好きな人がいるときている。

このまま、お客と店員という関係が一番いいのではないか。
無理に進展させようとして失敗したら、きっとこのお店に二度と来れなくなる。

それは嫌だ。私はここが気に入っている。
オーナーだけじゃなくて、雰囲気や味も含めて。


「今日も行ってきたの?」


仕事中、デスクが隣の律ちゃんが椅子ごと近寄りこっそりと尋ねてくる。
私はキーボードを打つ手を止めて、一度頷いた。
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