ハイスペック男子の憂鬱な恋愛事情
ひとしきり堪能して、さてどうしたものかと考える。

一昨日のあの色は、やっぱり今までで一番だった。

じゃあ、なんで失敗しちゃったのか。
ここで1つの仮説を立ててみる。


それは、まけぃたのスペックにわたしが張り合えなかったから。

初めての呑まれるような感覚に、やっぱりあの時、最後まで魅る覚悟がわたしに足りなかったことが、敗因なんじゃないかと推論する。

あの呑まれるような感覚の正体は。

まけぃたを眺めながら、カラオケでの指の音を思い出す。

しょうこちゃんが“やってくれた指”は、とても上手だったけれど、正直、あの発色は魅れなかった。

場所が良かったのかな。それともまけぃたじゃなきゃだめなのかな?

あの、原因不明の感覚はーー
プラスアルファのスパイスがいる、のかな……?

至近距離にまけぃたが迫り、彼の指が視界に入った瞬間、無意識にまけぃたの服を引っ張る形で引き倒す。

「だから痛ぇよ」

「わたしもいたいよー」

「何がしたいんだよ、お前」

やるなら、今だ。
ちょっとしたたか過ぎるかな、とは思ったけど、ただ指を突っ込まれるだけじゃ多分ダメなんだ。

「今したいことは群を抜いてひとつだよ!」

まけぃたの右手の指を自分の唇に乗せ、これでもかという媚び顔の上目遣いで告げる。


「まけぃた、昨日出来なかった“あの続き”、もっかいして?」


多分、相手の欲情を引き出すことが重要なんじゃないかって。

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