ハイスペック男子の憂鬱な恋愛事情
「根に持ってんだ?」

「リピートすんな!」

俺の胸をドンと押して、注いだばかりの焼酎を水のように一気飲みしている。

ヤバい。めっちゃ顔がニヤける。

さっきまでのハンバーグ男が消えたわけじゃないが、今、こうしてコイツの気持ちを揺さぶるのが俺というのがこの上なく……!(言葉にならない)

しかし、アイスが溶ける間も無く飲んでるそれは最早ロックではなくストレートだ。

流石にこのペースで飲んでいたら、カラダに悪いだろ。

「おい、ちょっとペース落とせよ」

「うるさい!触んな!まけぃたの癖に!」

久しぶりのまけぃた呼び!
だが、ここでそれを使うのは逆にクソ可愛いだけだから全くダメージにはならない。

(あの時の神山さんはもう金輪際勘弁だが!)


「わたしの知らない声を、他のオンナがうじゃうじゃ知ってるのがめちゃくちゃムカつくっ!」

「うじゃうじゃって」

「違わないでしょー?!」

まぁ……違わないでもないけど。

「でも他のオンナと同じになるのも嫌なの!」

「は?同じになるわけねーだろ」

「そう思い込んで実際ヤリ捨てられたオンナがどんだけいんのよー!」

う。憶測コミの発言なんだろうが、ただれた時代をほじくり返されると何とも言えない。

「だいたいあのわけわかんない勢いで結婚とか言われても、無理だからっ!」

このタイミングでいきなりの本題!

「正気に戻ったら彗大、絶対後悔するし!」

「はぁ?勝手に決めつけんなよ!つか、一過性の勢いだけで俺があんなこと言えるわけねーだろ!」

「でも普通の時だったら彗大、あんな不用意なこと絶対言わないからっ!」

不用意!ちょっと俺のことわかってるだけに言葉がつまる。
つーかさっきから絶対絶対ってなんなんだ。

「わたしめんどくさいもん!手に負えないんだもん!」

アカンコイツ、もう自己完結してんじゃねーか。

「ちょっと待て!俺にも口を挟ませろ!」

「だから彗大、わたしが落ち着くまでもう近寄らないで!」
< 96 / 144 >

この作品をシェア

pagetop