占いのお陰でシンデレラになれました!~奇跡の偽装結婚




(えーっと…確か、この辺だよね?)



約束の時間の10分程前、那月さんに指定された所に着いた。
一度も行ったことのない場所だけど、地下鉄の駅を出てすぐの目立つ場所だから、迷うことはなかった。



「……早いな。」

後ろから聞こえた聞き慣れた声に、私は振り向く。



「あ、は、はい。」

「じゃあ、行こうか。」

「はい。」

いまだに緊張してしまう。
特に外で会う時は。
那月さんと暮らし始めてそこそこ長いのに、どうしてこんなに緊張するんだろう?
しかも、ついつい敬語になってしまう。
一応、夫婦なのに…私の方が年上なのに…



やっぱり、絶体絶命のピンチの時に助けてもらったとか、良い暮らしをさせてもらってるっていう負い目みたいなものがあるからなのかな?



私は、いつも那月さんの少し後ろを歩いて行く。
夫婦というには離れ過ぎなこの距離感が、今の私達の関係を物語ってるような気がする。
でも、並んで歩く勇気はない。
那月さんもきっと、私なんかとは並んで歩きたくないと思う。
だからこそ、この距離感にも何も言わないんだよね。
ちょっと寂しいような気はするけれど、私と那月さんは本当に釣り合わないんだから仕方がない。
そんなことは、十分自覚してる。
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