歪な光
瞬は運転しながら、時々相槌をうってくれる。





「正直、こんなに今ショックを受けてる自分にびっくりしてるの。マドカはいい子だってわかってたけど、程よい距離感もあったから、バイト辞めれば自然とマドカとも自然消滅するのかなって、そう思ってた。なのにこんなに、マドカが大切な友達だなんて、思ってもいなかった…」







そう実感してしまうと、やっぱり涙がでてくる。今更大切にしたいと思っても、もう、マドカに会うことすらできなくなってしまった。






マドカはジョージに打たれた覚醒剤のせいで、幻覚と戦っている。






ドラッグや覚醒剤を抜くのは死ぬほどつらいとテレビでもやっていたのをみていた。





それをマドカが今、その立場になってしまった地獄を想像すると、いたたまれない。






「マドカちゃん、ドラッグを抜くのと平行で裁判もあるだろうね。やっと母親とも連絡とれて、事情説明したから」






マドカの母親か、結局、一週間泊まりに居ても会ったことない。





そんな人がそばにいたところで、マドカは支えてもらえるのかな?





心配で仕方がない。



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