歪な光
私の母親と同じ、娘を見なくても心配なんてしない。






ましてや、鬱陶しく思われている。
私たちがまだ未成年で、実際親が出ていかなければならないことも多々ある。






私が一人で夜歩いていても、迎えは放置している母親でなければいけないのだから。






「マドカの母親も、娘を放置してても平気な人だよ」






冷たく言い放つ私に、瞬の横顔が曇る。






きっと、瞬もそのことを感じ取ったのだろう。






「それでも、親は一人だからね。危ない世界に入れられていたことを知って、なんとか、親にも変わってもらいたいけど…それも幻想かな?」







瞬は自嘲するようにいった。
瞬の理想と、私が受けている現実を知っているから、断言できないんだろうな。






でも、そんなことないよなんて、いってあげれなかった。本当にそんな簡単に人は変われないと思う。






違う、変わることはできないんだ。






それが、その人の人格だから。




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