歪な光
そのころ、車にいた瞬は私からの発信にすぐさま電話をとる。





「もしもし?真白?どうしたの?」






電話は私のポケットに入りっぱなしで、瞬には遠くなんとなく私と奴の会話が聞こえる程度だった。






家に誰もいないはずなのに、会話をしているのがわかる。瞬は、悪い予感がして、すぐに私の家へ走った。








そのころ、私は抗うも虚しく、奴に手首を捕まえられて、自分の使っていたベッドに組み敷かれる。







「仕事、なかなか見つからなくてさ。君のお母さんは頑張って働いてくれてるよ」






もう、働く気なんてないのだろう。
それに、変に鼻に着く女ものの香水の香りがする。






「あんた、お母さん以外にも女がいるの?」







その質問に、奴の気持ち悪い笑みがさらに増す。どうしてこんな奴に、女が近寄るんだろう。心の底から気持ち悪くて仕方がない。






「俺、時間あるしモテるんだ」





そういいながら、私の服に手をかける。




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