歪な光
「嫌だ、やめろ!じじぃ!」






「口が悪いな、そんな悪い子にはお仕置きしないとね」






怒鳴っても、踠いても、こいつの力に抗えなかった。





心の中で瞬を思い浮かべる。





助けて、助けて…





心の中で叫ぶと、玄関がバタバタと音がするのが聞こえ、奴の手も止まる。






そして、二階の階段を駆け上る音がした。
私はその音が、瞬のものだとわかった。





「助けて!!」






私は思いを叫ぶように、瞬に私はここだよと伝えた。




すると、ドアが勢いよく開く。






「真白!」





瞬は勢いよく入ってくるが、目の前に入る状況を見て瞬は一瞬固まった。





次の瞬間、瞬は怒りを露わにした表情で、勢いよく奴を私から突き飛ばし、救出してくれた。






「瞬ちゃん」





私は瞬に、抱きつくと瞬も受け止めてくれた。





突き飛ばされた奴は鋭い目つきで瞬を睨んだ。






「何すんだよ!誰だテメー」






まるで、ヤクザのような口調。





しかし、奴は瞬の顔をよく見ると、思い出したようにまた笑みを浮かべた。





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