歪な光
その金額を聞くと、ヤマジの顔が引きつった。そして、小声で

「10万かぁ…」

と、呟き頭を抱えて考え込んでいた。





少しの沈黙。





「わかった。今から10万借りてくるから、行こう」





ヤマジは強い決意のもと、席を立ち上がった。





正気?





犯罪犯すついでに、お金借りてまで性欲を満たしたいなんて、こいつは、狂っている。





私は、ヤマジに手を引かれ店を出た。






嫌だ。





こんなキチガイとホテルなんて、本当は凄く嫌だよ。





「待って、ジョージに連絡しなきゃいけないから」





時間より遅くなるときは、必ず連絡を入れなければいけない。





一応、私は雇われている身だから、勝手なことは、勤務中にはできない、





「そうだよね、いいよ」





私たちは、人が通る道の隅により、私はケータイでジョージに送るメッセージを打ち始めた。





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