歪な光
その様子をマドカが反対側の道路で見ていた。そして、私を助けるように、反対側から私に声をかけてきた。





「オシロ!」





私はマドカに気づき、瞬との間で気まずい雰囲気を残したまま、俯きマドカの元へ走って逃げていった。





瞬もひき止めようか迷ったように、伸ばした手だけが彷徨っていた。





瞬にバレてしまった。きっと、ヤマジを見た瞬間で、私がしていることを察しているだろう。





私の別の名前も、知られてしまった。






最悪だ。これで、私はもう瞬に会えない。





「オシロ、大丈夫?」





マドカに合流すると、心配そうに私をみていた。





「平気、あの人、私がよく補導される時にいるお巡りさんなんだ」





「マジで?じゃあ、このこともバレたってこと?オシロ危ないんじゃ…」





捕まることを心配してくれているのだろう。





マドカは意外と友達思いなんだ。




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