歪な光
「これ、今日の分ね。ジョージに渡しといて?私、当分、バイト行けそうにないや。警察にきっとマークされちゃうから」









なんてね、ただ、瞬にバレてやる気が失せただけなんだけど。






「そ、そうだよね。分かった。また今度普通に遊ぼう。じゃあね」





マドカも私と長居すると身の危険を感じたのだろう、そそくさと去っていった。







深掘りしないマドカに感謝する。





これでいい。





それにしても、あんなやつとホテル行かなくなって、ホッとする。やはり、瞬は私の救世主だ。







そうおもっている私に瞬からの電話がかかってきた。






一瞬、出ることを躊躇ったが、私は通話ボタンを押し、何も言わずにケータイを耳元へ持っていった。





少しの無言の時間。





その沈黙を瞬から破った。






「もしもし?真白ちゃん?」






瞬の声、やっぱり好きだな。






心地よくて、ずっと聴いていたい。





でも、自分の話をするのは嫌だ。





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