歪な光
あの現場を見られてしまった。





私がどんなに特別に思っても、瞬にはただの非行少女にしかみえないんだろうな。






「瞬ちゃん、私服ってことは、今日はオフなの?初め誰かわからなかったよ」






私はなるべく、明るく戯けて話してみた。






本当の心がバレないように。





「仕事終わったからね。少し話しをしない?」






急な瞬の提案。
二人でプライベートで話せるなんて、嬉しくて胸が弾む。





でも、一つの怖い疑問も浮かんでくる。





「私を、捕まえるの?」






誰が見ても、援交だとわかる。
それに、今は未成年側も捕まってしまう。





怖くて、答えを聞くのも本当は嫌だった。





答えを知ってしまえば、本当に瞬と会えなくなってしまうきがするから。





瞬の答えを待つのに、数秒しか経っていないはずなのに、長い沈黙が訪れているように感じた。



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