歪な光
でも、そんな不安を瞬はすぐに打ち消してくれた。





「制服を脱いだら、ただの人だよ。君を捕まえるなんてこともないから、安心して」






昨日、私が言ったセリフを瞬に言われ、私は笑ってしまった。






「ほらね、制服なんかなかったら、なんの関係もないんだから。どこ行けばいい?」






「見つけた」






そう言って、電話とリアルの瞬の声が二つ重なった。






私も、声の方を見ると、笑顔の瞬を発見することができた。






瞬をみると、さっきまでの嫌なことや不安を吹き飛ばしてくれる。






私もつられて笑顔にしてくれる不思議な人。






「見つかっちゃった」







私たちはお互い歩み寄り、電話を切った。









見つめる瞬の顔に、嘘のない優しい笑顔が私だけを見つめてくれる。





会いたかった。





制服ではない、普通の男女として。







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