歪な光
「何か食べたいものとかある？」





さっきの厳しい表情は無く、尋問もしない。
そんな、優しい瞬の温かさを感じる。






「んー、クレープ！それで、レインに会いたい！」






私は瞬の優しさに甘えるように言った。





「クレープね、いいよ。レインのエサ買ってきたんだ。一緒にあげようか」






そういって、手に持った荷物を見せてくれた。






レインは、いいな。
瞬に拾われて、可愛がられるなら、私も猫になりたいと、本気で思ってしまう。





「やったぁ！嬉しい」






そんな本音を隠しながら、喜びを瞬に伝えると、一緒にクレープを買って、瞬の家へ向かった。






意外と派出所からは、遠いところのマンションに瞬は住んでいるようだ。





私の家からはあるいたらきっと、一時間はかかってしまう。





でも、今はそれくらいの距離があるほうが、誰の目も気にしなくてすむから気が楽だ。








< 40 / 165 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop