歪な光
瞬は気の毒そうに私を見ていた。






自分に何ができるのだろう?






そんな風に思っているんだよね。私の本音はあなたを困らせることしかできない。





「なんてね、瞬ちゃん優しいからすぐ、甘えたくなっちゃう」






これ以上、困らせたら可哀想だ。






誰にも救う事なんて出来ない人生を、私は歩んでいる。





選ぶことの出来ない親元で、どうにか生き抜くしかない。






「真白ちゃん…」






「ねえ、瞬ちゃんも私のことオシロって呼んでよ」






穢れた自分にぴったりの名前、本名を呼ばれるよりこの名前のほうが私らしい。






「オシロ?なんでそんなあだ名を?」






「穢れた白だから」







冷めた口調で言うと、瞬は驚き言葉を失う。






「汚れた白で、オシロ。そのほうが、私らしいでしょ?」





私は作り笑顔で、おどけてみせた。




< 44 / 165 >

この作品をシェア

pagetop