鬼部長に溺愛されてます
「少しくらいの痛みは我慢しろ」
メガネなしの視線に凄まれて、私は動きを封じ込められた。
「……はい」
鋭い眼光で見られると、なにも言えなくなる。
言い方もやり方も冷たいけれど、不意打ちの優しさを見せられてドキッとさせられる。
きっと、みんなは部長のこういう一面に気づかないだけだ。
ただ、桐島部長とここまで接近したのは初めてで、思わぬ展開に顔の温度が一気に上昇する。
単に棘を取ってもらっているだけなのはわかっているのに、意識せずにはいられない。
少しヒンヤリした部長の手が触れていると思うだけで、心拍はありえない速度で打ち始める。
器用に棘を取る、やけにセクシーな指先にひとり勝手にドキっとして、そこから目を逸らそうと見上げた先にあった部長の端正な横顔に、さらにひとつドキンと脈打った。
……どうしよう。
こんなにドキドキしていたら、指先を伝って桐島部長に気づかれちゃう。
チラッと目線だけ投げ掛けたところで、なぜか彼とバッチリ目が合ってしまった。
恥ずかしさに慌ててうつむく。