鬼部長に溺愛されてます
◇◇◇
「麻耶……麻耶……」
ベッドの上で背後から私を抱きしめたまま、桐島さんが何度となく私の名前を呼ぶ。
波のない穏やかな海に浮かんでいるような、とても心地の良い感覚に私は身を委ねていた。
抱えきれないほどの幸せが胸いっぱいに満ちている。
大好きな桐島さんの腕に抱かれ、こんなに素敵な誕生日を過ごせるとは思いもしなかった。できることならこのままずっと離れたくない。
私のウエスト付近から伸びた彼の手をギュッと握ると、桐島さんは私の髪にキスを落とした。
「ひとつ報告があるんだ」
桐島さんがポツリと呟く。
「なんですか?」
背を向けたまま問い返すと、桐島さんは驚くべきことを口にした。
「本社に戻れることになったんだ」
「――え!?」