【完】姐さん!!
「なるちゃんさぁ。
これ以上俺のこと夢中にさせて、どうしたいの?」
顔を覗き込めば、揶揄ったつもりはないけど、すねるように顔を背けてしまうなるみ。
頬を指でふにふにと突いてみたら、心底嫌そうな顔で「やめて」って一蹴されるし。
感情の波が激しいお姫様ですこと。
……素直に感情を出してくれるのはうれしいけどね。
「なるちゃん」
「………」
「なるみ」
いつも一緒に登校するけど、ここまで甘ったるい雰囲気ふりまきながら登校することなんてなかったから、まわりの視線をやたらと感じる。
たぶんなるみは、注目されるのが恥ずかしいから嫌なんだろうけど。
「デートしよう?」
誘えば、伏し目がちだった瞳はすこしだけ持ち上がる。
それから興味なさげに逸らされたけど、いま完全に喰いついたよね?なんで逸らした?
「どっか行きたいとこある?」
「するなんて言ってない……」
「そ? なら、デートしなくていいの?」
わざと揺さぶりをかけるように聞いてみたら、なるみの瞳は何か言いたげに揺らぐ。
本当は素直になりたいのに、なれないって顔。
散々いままで俺に好き勝手言ってたのに。
付き合った途端に自分の思ってることを上手く言えなくなってるのは、ずっと一緒にいるだけあってすぐ分かる。……意識しすぎ、だな。