【完】姐さん!!



「ちなみになるみは、

告白されたらなんてことわってるの?」



「されねえようにしてるから大丈夫だよ。

……ああでも、返事は聞きたいな。なんて答える?」



「え? うーん……

普通に『衣沙がいるから』って言うけど」



「投げやり。

俺みたいに思わず羨ましいって言われるぐらいの返事考えてよ。んで、実際に告られたらそう言って」



「衣沙さ。

ほかの男に羨ましがられたいんでしょ」



あたりまえだろ。

こんなに可愛い彼女ってだけでも羨まれることはそりゃあもう山ほどあるけど、どうせならこれ以上ないぐらい愛されてるって見せつけたい。



優越感でもなんでもいいからとりあえず自慢したい。

付き合ってるとか彼氏彼女とかそういうブランドじゃなくて、なるみに愛されてることが重要なわけで。




「俺いまSNSのフォロワー数着々と伸ばしてんだから。

なるみとのデート写真とか惚気で」



「え、ちょ、わたしの知らないところで、」



「見せてあげよっか?

俺の猛烈ななるみへのラブコール」



ぜひともそれを見た感想を聞きたい。

……まあどうせ、顔真っ赤にしてくれるんだろうけど。



「あとで『彼女とラブラブ旅行中』って載せとくわ」



「っ、恥ずかしい……」



恥ずかしいけど、「嫌」とは言わないあたり、愛されてるのはうれしい、と。

当たり前か。女の子に限らず相手に愛されてるのは嬉しいし。俺だってなるみに愛されてるなって思うとうれしいんだから。



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