【完】姐さん!!



「衣那くん。

成長したも何も、衣沙は元からわたしにとっても優しいわよ。……最近、思うんだけど、」



「うん」



「わたしにはもったいないぐらい、

優しくていい彼氏だなあって思って」



……デレられるのに弱いんだよ、俺。

なるみにそう言われたら、すぐ浮かれそうになる。



「しあわせすぎるくらいにね、

わたしのこと大事にしてくれてるの」



「……そりゃあ、大好きだからね」



俺は男だけど、彼女に「釣った魚に餌はやらない」タイプの男とは、絶対仲良くできないと思う。

だって心底惚れ込んでるのに、優しくしないわけがない。心底甘やかすタイプだよ、俺は。




「夏休み前に女の子に告白されたときにね。

『俺はなるみしか見えてないからごめん』って言ってくれたんだって」



「え、なんでなるみそれ知ってんの?」



「1年の女の子だったんでしょ?

それ聞いて女の子たちが盛り上がってたって、さおから直接聞かされたの。『みんな粟田先輩がうらやましい』って言ってたって」



うらやましい……って、ことは。

本当に、彼女を大事にする男が少ないんだろうな、と勝手に思う。



女の子には元々優しくするタイプだけどさ。

自分が好きになった女の子のことぐらい、心底甘やかしてあげてもいいと思うんだよね。



「好きでいてくれたのに、

なかなか気づかなくてごめんね? 衣沙」



意地悪するのは、たまにだけでいい。

だってほら、かわいいからっていじめすぎて、愛想つかされたら困るじゃん?



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