【完】姐さん!!
「あ、そうそう。
霧夏のみんながお花見しようって言ってたわよ」
無事に2種類のパスタを満喫したなるみは、食後のデザートに頼んだパフェを頬張りながら言う。
言われなくてもわかるしあわせそうなその表情を見つめながら、「へえ」と適当に相槌を打った。
「一応トップだから呼ばないとねって」
「すげえ"一応"の部分強調するじゃん」
「まあ、みんな衣沙は来ないと思ってるから。
……さおが、忙しいなら来なくていいって言ってたわよ?」
ピクッと、自分の肩が揺れたのがわかる。
来なくていい、じゃない。……来て欲しくない、の間違いだろ。
あいつはなるみのことが好きだから、俺が邪魔なわけで。
学校でもあんなに堂々としているあたり、本気でなるみのこと狙いに来てるんだろうし。
「行くって返事しといていいよ」
「りょーか……えっ!?
いつも誘っても不参加なのに来てくれるの!?」
「……そんな驚かなくていいじゃん」
おどろいたように瞬くなるみに、手を伸ばして。
口元についていた生クリームを指で取ると、ぼんやりしていた彼女ははっとしたように俺を見た。
「ついてた?」
「ついてた。
……ってか、相変わらずよく食べるな」
「う、だって食べるの好きなんだもん……」