【完】姐さん!!
「へえ。姐さんには相変わらず優しいんですね。
好きなものまで詳しいなんて、さすがは"幼なじみ"」
「……俺お前嫌いだわ」
「いまさらですか?」
衣沙の女の子遊びを許せているのは、彼が一途になったとき、どれだけまっすぐなのかを知っているからだ。
そうやってカモフラージュして、その下でどれだけ満月ちゃんを想っているのか、知っているから。
「……『期間限定桜味の金箔ソフト』だって。
ねえ衣沙、わたしあっちの『3種のベリーソフト』も食べたい」
「ハイハイ、好きにしろよ」
小さなショップについて彼にねだれば、衣沙はそのまま店員さんにわたしの注文を告げる。
さおは着いてきたけど何も買わないようで、結果的にわたしのアイスだけを買うことになった。
「買ってやるから俺にちょっと分けて」
「もちろん。さおも食べる?」
今にはじまったことじゃないけど、衣沙はわたしとふたりでどこかに出かけたとき、主に一緒にご飯に行くときは、わたしに財布を出させない。
金額を見てわたしが強引に自分の分を彼に返したり、違うところで衣沙にお返しはしてるけど。
「ん、ほら」
「ありがとう、衣沙」
今回も例に洩れず奢ってくれた衣沙にお礼を言えば、ぽんと頭を撫でられる。
さおは甘いものが好きじゃないらしく、ふたりで分け合って食べるのは、何気ないいつものやり取りだったのだけれど。
「……衣沙さんと姐さんって。
一体どこまで"幼なじみ"で許せるんですか?」