【完】姐さん!!



「へえ。姐さんには相変わらず優しいんですね。

好きなものまで詳しいなんて、さすがは"幼なじみ"」



「……俺お前嫌いだわ」



「いまさらですか?」



衣沙の女の子遊びを許せているのは、彼が一途になったとき、どれだけまっすぐなのかを知っているからだ。

そうやってカモフラージュして、その下でどれだけ満月ちゃんを想っているのか、知っているから。



「……『期間限定桜味の金箔ソフト』だって。

ねえ衣沙、わたしあっちの『3種のベリーソフト』も食べたい」



「ハイハイ、好きにしろよ」



小さなショップについて彼にねだれば、衣沙はそのまま店員さんにわたしの注文を告げる。

さおは着いてきたけど何も買わないようで、結果的にわたしのアイスだけを買うことになった。




「買ってやるから俺にちょっと分けて」



「もちろん。さおも食べる?」



今にはじまったことじゃないけど、衣沙はわたしとふたりでどこかに出かけたとき、主に一緒にご飯に行くときは、わたしに財布を出させない。

金額を見てわたしが強引に自分の分を彼に返したり、違うところで衣沙にお返しはしてるけど。



「ん、ほら」



「ありがとう、衣沙」



今回も例に洩れず奢ってくれた衣沙にお礼を言えば、ぽんと頭を撫でられる。

さおは甘いものが好きじゃないらしく、ふたりで分け合って食べるのは、何気ないいつものやり取りだったのだけれど。



「……衣沙さんと姐さんって。

一体どこまで"幼なじみ"で許せるんですか?」



< 54 / 263 >

この作品をシェア

pagetop