【完】姐さん!!
眉をひそめて言う彼に、ぱちぱちと瞬く。
……どこまでって、一体、何が?
「ソレ完全に、間接キスだと思うんですけど」
「小さいこと気にするんじゃねえよ~。
こんなん俺らだと普通だから。なあ?なるみ」
「そう、ね」
そうか、これって間接キスなのか。
当たり前のように食べてるけど、間接、キス。
「……言われたらたべづらい」
だって意識するなって方が無理でしょう!?
普通だって思ってたのに「間接キス」なんて言われたら、どきっとするでしょ!?
「間接じゃなくてキスして欲しいって?」
「さお。そのへんに衣沙埋めといて」
「埋め……? 埋めるって言った……?
ここ砂場でもないけど何をどうやって俺を埋める気でいるのかな、なるちゃん」
ふざけたことを言う衣沙に、なんでこんな男を好きになったんだろうと若干の後悔を抱きながら、ふたりを連れてシートにもどる途中。
ふいに視線を向けた先で、とあることに気づいた。
「衣沙、ちょっとこれ持ってて」
「ん? いらねえの?」
ソフトクリームを彼に渡して、視線の先へ急ぐ。
ふたりに「姐さん?」「なるちゃん?」って声をかけられたけど、駆け寄って小さな女の子の前でゆっくりと屈んだ。