【完】姐さん!!
「……あのさ。
次の授業、一緒にサボらねえ?」
「いいよぉ?
でもサボってなにするの……?」
「俺とサボってすることなんてひとつじゃん」
くすくす笑う彼女の髪に指を絡める。
うれしそうな顔をしてくちびるを頬に寄せてくるけど、鼓動が乱れることなんてない。
「なるちゃん泣かせても知らないよ?」
「……あいつは泣かねえよ」
泣かないし、泣かせることもない。
だってなるみは、俺のことを好きじゃないから。
「衣沙、キスして?」
「ん、」
嫌われんなら、いっそキスのひとつでもしてやればよかったかなと思う。
キスしたらしたで、俺が負うダメージがデカくなるだけだけど。
「だいすき、衣沙。
……ねえ、衣沙は? わたしのこと好き?」
「……だめ。
俺がそう言ってやるのは、あいつの特権だから」
「知ってるよ。わざとだもん」
それでもあきらめられないこの気持ちを、
いったいどこへ吐き出せっていうんだ。