メトロの中は、近過ぎです!
お昼になり、どうしても食べていってという奥様の計らいで、また皆さんと一緒に食堂に入った。
土曜日で本当は休みだった奥村さんや他のパートの方たちも来ていた。

たった三日間でもやっぱり別れは寂しいもので、
「元気でね」
「また来てね」
なんて言われると涙を堪えきれない。

直売所では観光客の老夫婦に混じって桜舞を数本買った。
伊藤チーフと沙也香ちゃんの分もある。
一つはもちろん自分用。

最後にお礼を言って車に乗り込もうとすると、奥さんが「車で食べて」と何かを持たせてくれた。

「戻ってきたくなったらいつでもおいで~」
「幸せにね~」

そんな言葉をかけられて、私たちは桜酒造さんをあとにした。

「なんだか嫁にいくみたいね」

泣きそうになるのを誤魔化すようにそう言うと、

「良かったな」

大野さんも笑っている。

「うん、優しい人たちだったね」

私もなんだか優しい気持ちになったような気がした。
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