メトロの中は、近過ぎです!
いつも私に安心をくれていた二重の目が、私を見た瞬間大きく見開いた。
それでもその顔から視線を離せない。

「どうしたんだよ。何があった?」

大野さん……

涙が頬を伝った。

「な…俺か?おまえ、あれからずっと泣いてたのか?」

手首を掴んで覗きこもうとするから、うつむくしかなかった。

「ちが…」

声が上手く出ない。

「じゃ、その顔なんだ」

両方の手首を取って立たせられた。
いきなり立ったから、目の前が砂嵐になる。
やばい、立ち眩みだ。

ふらついた体を立て直そうと、咄嗟に目の前のスーツを掴んだ。

「おい。大丈夫か?」

両手首は彼に持たれたまま。



その時、事務所の扉が開く音がした。
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