メトロの中は、近過ぎです!
誰も話さず、それぞれが自分の仕事に集中して、時折鳴り響く電話に全員が反応してた。

「はい。オリエンタル建材…課長!」

沙也香ちゃんの声に全員がそちらを向く。

「はい…主任、2番です」

すぐに自分のデスクに戻った南主任が電話に出る。
部屋にいる全員が南主任に注目していると、

「はい…はい…」

電話に出ていた主任が受話器を置いた。
顔を上げると、ニヤリと笑った。

「決まったぞ」

自然と拍手が起こる3課。

「明日までに1000㎡、いや2000だ。2000集めるぞ」
「2000?」

大きな声で聞き返した伊藤チーフ。
ですよね、さすがに2000は無理ですよね。

なのに、その直後
「燃えるわね」
そう言って、フッと笑った。

伊藤チーフはやっぱりかっこいい。

「佐々木。倉庫の大野と戸田に決まったと伝えて、様子をみてきてくれ」
「はい」

嬉しくて、走るように倉庫に向った。
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